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数年前に長谷川等伯の松林図屏風絵を見てから、徐々に、そして今では完全に江戸時代の絵画に陶酔している。江戸時代の絵画を見る事がもはや趣味になっている。


日本美術の審美をあらわす侘び寂びを、FrozenBearの画面の静寂さによって表現したつもりだ。
色・季節を変更する画面では季節に応じた事物がひらひらと降り落ちるのみで、この画面の美しさに重点を置いている。
最低限の要素しか表示されず、眺める事がメインとなるアプリはそうそうない。意図して空白のあるページが用意される事もない。敢えて使いやすさより美しさを優先した。
また、色合いには相当こだわった。他には何も無いからこそ、グラデーションのみの空白部分が重要になる。
意図して生んだ空白と意図しないで生まれた空白には雲泥の差があり、前者に価値を見い出させるのは古来からの日本の審美感だけだ。


なんていうことを、外国人に侘び寂びの説明を求められた時のことをふと思い出して書いた。
今までオブジェクトで全面を埋め尽くすデザインを多用してきた僕にとって、FrozenBearはある種挑戦的であった。
他国の人にBeautifulと言わせたFrozenBearは今も売れている。ひとつ自分の中のキャズムを超えられたんじゃないかって思いたい。